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最新技術だけが正解?「枯れた技術」という選択肢を見直してみませんか

  • 開発部
  • 10月28日
  • 読了時間: 5分
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こんにちは!株式会社雲海設計の技術部です。


「新しい技術を取り入れなきゃ、時代に取り残される」——そんな焦りを感じたこと、ありませんか?


IT業界では毎週のように新しいフレームワークやツールが登場し、SNSでは「○○がすごい!」「△△はもう古い!」という声が飛び交っています。


私たちも最新技術のキャッチアップは日々欠かせません。

新しい技術には、新しい技術ならではの魅力がありますから。


ただ、ふと立ち止まって思うことがあるんです。

「あれ、この場面では"枯れた技術"のほうが合ってるかも?」と。


もし「技術選定って何を基準に考えればいいんだろう」と感じている方がいらっしゃったら、この記事が一つのヒントになるかもしれません。

読み終える頃には、「枯れた技術」という選択肢が、少し違って見えてくるはずです。


そもそも「枯れた技術」って何ができるの?


「枯れた技術」と聞くと、なんだか古臭くて使えないもののように聞こえますよね。

でも、技術の世界では少し違う意味を持っています。


すごくシンプルに言うと「長年使われ続けて、信頼性が証明された技術」のことです。


たとえば、料理で考えてみましょう。

最新の調理器具が次々と登場しますが、プロの料理人の厨房には「鉄のフライパン」や「よく研がれた包丁」が必ずありますよね。最新の便利グッズを使う場面もあれば、昔ながらの道具が一番しっくりくる場面もある。どちらが優れているというより、使い分けなんです。


技術の世界も似ています。

たとえばデータベースの「PostgreSQL」は1996年から存在していますが、今でも世界中で現役です。プログラミング言語の「Java」も1995年生まれ。古いから悪いわけじゃなく、長く使われてきた理由があるということなんですね。


実は、どんな規模の企業でも検討する価値がある


「うちみたいなスタートアップには関係ないかな」

そう思われるかもしれません。でも、意外とそうでもないんです。


大企業にとっては、長期運用の安定性やセキュリティ実績が魅力になります。

一方、リソースが限られるスタートアップや中小企業にとっては、情報量の多さ人材の見つけやすさがメリットになることも。


新しい技術は、ドキュメントが少なかったり、詳しいエンジニアがまだ少なかったりします。トラブル時に解決策を探すのに時間がかかることも。


枯れた技術なら、検索すればすぐ答えが見つかる——そんな安心感は、案外バカにできません。


もちろん、最新技術でしか実現できないこともたくさんあります。ただ「このプロジェクトには、どっちが合ってるかな?」と考えてみる価値はあるかもしれません。


こんな場面では、枯れた技術もアリかも?

「新規事業、スピード重視で立ち上げたいんだけど…」


新しい事業やサービスを立ち上げるとき「どうせなら最新技術で」という気持ち、わかります。

私たちもそう思うことがあります。


ただ、新規事業で大切なのは「アイデアを素早く形にして、市場の反応を見ること」だったりしますよね。


学習コストの低い技術を選ぶことで、開発スピードが上がる場面もあります。最新技術に挑戦するのは、サービスが軌道に乗ってからでも遅くない——そんな考え方もアリかもしれません。


「開発会社に依頼したシステム、もうちょっと安定してほしいな…」


「納品されたシステムがなぜかよく止まる」「ちょっとした修正に時間がかかる」

こんな経験、ありませんか?


原因はいろいろ考えられますが、一つの可能性として採用技術の「若さ」があります。リリースされて間もない技術はどうしてもバグや仕様変更が多くなりがち。開発会社も手探りになりやすいんです。


次にシステムを検討する機会があれば、「あえて実績のある技術を選ぶ」という選択肢も、頭の片隅に置いておくといいかもしれません。


「社内のDX、なかなか定着しなくて…」


最新のツールを導入したものの、現場で使われず気づけば元の運用に戻っている…。

そんな話、よく聞きます。


DXが定着しない原因の一つは、「技術の新しさ」と「現場の馴染みやすさ」のギャップかもしれません。


たとえば、業務改善にExcelマクロやGoogle Apps Scriptを活用する。最新ツールではありませんが、社員にとっては馴染みやすく、定着しやすい。「現場が無理なく使える技術」という視点で選び直してみると、意外と道が開けることもあります。


最初の一歩、どう踏み出す?


「枯れた技術も悪くないかも、とは思った。でも具体的にどうすれば?」

そう思われた方、大丈夫です。特別なことをする必要はありません。


まずは今検討中のプロジェクトについて「なぜその技術を選ぶのか?」を言葉にしてみることから始めてみてください。


「新しいから」「話題だから」——もしこれが主な理由なら、一度立ち止まってみてもいいかもしれません。「実績があるから」「情報が豊富だから」「チームが扱いやすいから」——こうした理由も、立派な選定基準です。

最新技術を選ぶことも、枯れた技術を選ぶことも、どちらも正解になり得ます。大切なのは、「なんとなく」ではなく「理由を持って」選ぶことなのかなと思います。


まとめ


正直に言うと、私たちは最新技術も大好きです。新しいフレームワークを触るとワクワクしますし、先端技術でしか解決できない課題があることも知っています。


ただ、すべての場面で最新技術がベストとは限らない。

「枯れた技術」という選択肢も、ときには検討してみる価値がある——この記事でお伝えしたかったのは、そんなシンプルなことです。


技術選定に唯一の正解はありません。最新技術の可能性を追いかけることも、実績ある技術の安心感を選ぶことも、どちらもプロジェクトを成功に導く道になり得ます。


「この場面では、どっちが合ってるかな?」

そんなふうに、選択肢をフラットに眺められるようになると、技術選定がもう少し楽しくなるかもしれませんね。

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