「バージョン管理」だけじゃない! 非エンジニアこそ知っておきたい「Git」の力
- 開発部
- 5 日前
- 読了時間: 6分

こんにちは!株式会社雲海設計の技術部です。
突然ですが、こんな経験はありませんか?
「企画書_最終版.docx」「企画書_最終版_修正.docx」「企画書_最終版_修正2_これが本当の最終.docx」……。気づけばフォルダの中が「最終版」だらけになっていて、どれが本当の最新なのか分からなくなってしまった、なんてこと。あるいは、「あのとき保存したはずの内容に戻したいのに、上書きしてしまって元に戻せない!」と冷や汗をかいた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もし「ファイル管理、正直カオスになってきた……」と感じている方がいらっしゃったら、今日の記事はきっとお役に立てるはずです。
この記事を読み終える頃には、「Git(ギット)」という仕組みがエンジニアだけのものではなく、あなたの会社の業務効率化にも活かせる可能性があることを、具体的にイメージできるようになっていると思います。
そもそも「Git」って、何ができるの?
「Git」という言葉、エンジニアの会話やIT系のニュースで耳にしたことがある方も多いかもしれません。でも、「プログラマーが使う難しいツールでしょ?」と思っていませんか?すごくシンプルに言うと、「ファイルの変更履歴を、完璧に記録・管理してくれる仕組み」のことです。
身近な例えで言うなら、Wordの「変更履歴」機能や、Googleドキュメントの「版の履歴」機能の、ものすごく高性能バージョンだと思ってください。
たとえば、Gitを使うと「3日前の15時時点の状態に、ワンクリックで戻す」なんてことが簡単にできます。しかも、「誰が」「いつ」「どこを」「なぜ変えたのか」まで全部記録されているので、チームで作業していても混乱しません。
もうひとつの大きな特徴は、複数人が同じファイルを同時に編集しても、それぞれの変更をあとから一つにまとめられること。「Aさんが編集中だから、終わるまで待たなきゃ……」というストレスから解放されるんです。
実は、中小企業にこそチャンスがある
「GitなんてIT企業が使うものでしょ? うちみたいな会社には関係ないよ」
そう思われる方も多いかもしれません。でも、実はそれ、もったいない誤解なんです。
むしろ、少人数で多くの業務をこなす企業だからこそ、Gitのメリットを実感しやすいと私たちは考えています。
大企業であれば専用のファイル管理システムや複雑なワークフローを整備する余裕があるかもしれません。でも、中小企業では「とりあえずファイルサーバーに保存」「メールで最新版を送り合う」といった運用になりがちですよね。
その結果、「どれが最新か分からない」「誰かが間違えて上書きした」「過去のバージョンに戻れない」といったトラブルが起きやすくなります。こうしたトラブルは、一つひとつは小さくても、積み重なると大きな時間のロスや、取り返しのつかないミスにつながることも。
Gitを上手に取り入れれば、こうした「地味だけど確実に業務を圧迫している問題」を根本から解決できる可能性があるんです。
具体的な活用シーン
「契約書や提案書、過去のバージョンを探すのが大変…」
お客様への提案書や、取引先との契約書。何度も修正を重ねていくうちに、ファイルがどんどん増えていきますよね。
「3ヶ月前に送った見積書の内容を確認したい」「去年のあのプロジェクトで使った提案書をベースにしたい」——そんなとき、フォルダを延々と探し回った経験はありませんか?
Gitでファイルを管理していれば、こうした悩みとは無縁です。
例えば、すべての変更が時系列で記録されているので、「2024年3月15日時点のバージョン」をピンポイントで呼び出すことができます。しかも、変更のたびにメモ(コミットメッセージと呼びます)を残しておけば、「〇〇社向け初回提案」「価格改定後の修正版」など、目的別にすぐに見つけ出せるようになるんです。
「マニュアルや社内文書、みんなで編集すると収拾がつかない…」
業務マニュアルや社内規定など、複数人で更新する文書の管理は本当に大変ですよね。
「Aさんが直したはずの部分が、Bさんの保存で消えてしまった」「誰がいつ変更したのか分からないから、責任の所在が曖昧になる」——チームで文書を共有していると、こんな問題が起きがちです。
Gitなら、それぞれが自分の担当部分を別々に編集して、あとから一つに統合することができます。しかも万が一変更が競合しても、Gitがそれを検知して「ここ、両方から変更されてますよ」と教えてくれます。さらに、すべての変更履歴が残るので「この部分、なんでこう変わったんだっけ?」という疑問も履歴をたどればすぐに解決。属人化しがちなナレッジがチームの共有財産として蓄積されていきます。
「Webサイトやシステムの更新、怖くて気軽にできない…」
会社のWebサイトや、業務で使っているシステム。「ちょっと直したいけど、間違えたら大変なことになりそうで怖い」と、更新を躊躇してしまうことはありませんか?特に、外注先に作ってもらったシステムの場合、「いじって壊したらどうしよう」という不安から、必要な改善もなかなか進まない……というケースをよく耳にします。
Gitがあればこの心配が大きく軽減されます。
なぜなら変更前の状態が完璧に保存されているから。もし何か問題が起きても、「ロールバック」という操作で一瞬で元の状態に戻すことができるんです。
これは、エンジニアにとっては当たり前の安心感ですが、非エンジニアの方にとっても、「いつでも元に戻せる」という安心感があれば、新しい施策にチャレンジしやすくなりますよね。
最初の一歩、どう踏み出す?
「Gitの良さは分かったけど、じゃあ具体的に何から始めればいいの?」
そう思われるのは、とても自然なことです。正直なところ、Gitを本格的に使いこなすには、ある程度の学習が必要なのも事実。でも、いきなりすべてをGit管理に移行する必要はありません。
おすすめなのは、まず一つのプロジェクトやフォルダで試してみること。
たとえば、「今度始まる新しいプロジェクトの資料だけ、Gitで管理してみよう」というスモールスタートでOKです。最近は、プログラミングの知識がなくても使えるGitのデスクトップアプリもありますし、GitHubやGitLabといったサービスを使えば、Webブラウザ上で直感的に操作することもできます。
もちろん、社内に詳しい人がいなくても大丈夫。「うちの業務に合った使い方を知りたい」「本格導入する前に、まず相談したい」という場合は、ぜひ私たち株式会社雲海設計にお声がけください。お客様の業務内容をヒアリングした上で、無理のない導入ステップをご提案いたします。
まとめ
Gitは万能ではありません。導入すればすべての問題が解決するというものでもありません。
しかし、「ファイルの履歴管理」という、地味だけれど確実に業務を圧迫している問題に対して、非常に強力な解決策になり得るツールです。
「うちの会社でも使えるかな?」「まずは何から始めればいいんだろう?」——そんな疑問をお持ちでしたら、ぜひ一度私たちにご相談ください。株式会社雲海設計は、お客様のビジネスと技術の橋渡し役として、難しいことを分かりやすく、そして確実に成果につなげるお手伝いをしています。
あなたの会社に合った「最初の一歩」を、全力でサポートします。




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